「映像をこれから始めたいけど、何を買えばいいかわからない」「スマホからステップアップしたい」——そんな声に向けて、私たちが実際に大型SF映画『Dr.AlvAro(アウバロ)』の撮影現場で使っている DJI Osmo Pocket 4P を、現場目線でレビューしました。

「4」か「4P」か。現場が出した結論

DJI Osmo Pocket 4 には、無印の「Osmo Pocket 4」と上位機の「Osmo Pocket 4P」の2モデルがあります。
どちらを買うか迷っている方に、比較動画にありがちな忖度なしで先に結論を言ってしまうと——4P一択です。

価格差は2万円を切っています。
実際に両方の画を見比べ、撮影で使い倒した上での結論なので、これから初めての1台を選ぶ方にはぜひ知っておいてほしいポイントです。

SDカードを忘れても撮れる、内蔵ストレージという安心感

まず地味に革命的だったのが内蔵ストレージです。
Osmo Pocket 4 は103GB、4Pは107GBという大容量をボディに内蔵しており、SDカードなしでもすぐに撮影を始められます。

「SDカードを忘れる」なんて滅多にないと思うかもしれませんが、実際に東京での撮影でそれをやってしまい、血の気が引いた経験があります。
都心ならまだ買いに走れますが、地方ロケだったらと思うとぞっとします。
内蔵ストレージがあるという安心感は、実際に痛い目を見たからこそ強くおすすめできるポイントです。

二つのレンズが生む、映画のような画づくり

無印の Osmo Pocket 4 が 20mm F2.0広角レンズ1つなのに対し、4Pは 20mm F2.0広角)と60mm F1.8(中望遠)のデュアルレンズ搭載しています。

F値(絞り値)は数字が小さいほど背景がボケやすくなる数値です。
60mm F1.8 という明る中望遠レンズがあることで、

  • 街並みをまるごと広く写したいカット → 20mm
  • 人物や物にぐっと寄って、背景をボカした「映画っぽい画」にしたいカット → 60mm F1.8

いうように、1台で画づくりの引き出しが一気に増えます。
無印の4はこの60mmが撮れないので、広角の画しか選べません。
この違いだけでも、レンズが1個か2個かで「買い」かどうかが決まると言えるレベルの差です。

17段のダイナミックレンジという、映画機材との

レンズだけでなく、センサー由来のダイナミックレンジ(明るい分から暗い分までを、どれだけ豊かな階調で記録できるか)にも大きな差があります。

無印の4が14段なのに対し、4Pは新しいログプロファイル「D-Log 2」に対応し、17段ダイナミックレンジを実現しています。
動画内で比較に使っている業務用シネマカメラ Sony FX3(15段程度)と並べても遜色ない数値で、編集でカラーグレーディングをしっかり作り込みたい人ほど、この差の恩恵を大きく受けられます。

項目Osmo Pocket 4Osmo Pocket 4P
レンズ20mm F2.0広角のみ)20mm F2.0 + 60mm F1.8(デュアルレンズ)
内蔵ストレージ103GB107GB
ダイナミックレンジ14ストップ17ストップ(D-Log 2対応)
参考価格79,200円〜99,000円〜(Standard Combo)

本格機材と比べてみると、圧倒的に身軽

映画撮影用にカメラ・レンズ・パンチルドできる三脚・ジンバルスタビライザーを個別に揃えると、それだけで数十万円規模になります。
Osmo Pocket 4Pは、

  • 3軸ジンバルによる手ブレ補正
  • ActiveTrack によるトラッキング機能
  • スマートフォンからの操作
  • 補助ライト

まで一体になっていながら、Standard Comboで99,000円から。
サイズが小さいぶん、車に取り付けたり、ドローンに載せたりと、大型カメラでは簡易的に難しい撮り方も手軽に試せるのは、実際の制作現場でありがたいと感じた点です。

最初の1台にするなら、迷わずおすすめできる

DJIから金銭的な提供などは受けていない、正直な現場レビューです。
それでも、20mmと60mmの2つの画が撮れて、映画のような色づくりまでできてしまうこの1台があれば、映像制作の最初のステップは十分に踏み出せます。
実際に私たちも、この4Pで撮った画を『Dr.AlvAro』のメイキング映像などに使っていく予定です。